「クリンチャーとチューブレス、どっちを選べばいいの?」
これはサイクリストにとっての永遠のテーマです。
そこで本記事では、初心者・中級者に向けてこのテーマについてバッチリアドバイスをしていきます!
チューブレスタイヤの情報って上級者目線のものが多いですが、私の経験をもとに分かりやすく解説していきますよ。
ぜひ参考にしてみてください。

初心者から中級者の人にも共感できるところが多いと思います!
チューブレスレディ(TLR)
チューブレスタイヤには厳密には「チューブレス」と「チューブレスレディ(TLR)」の2種類がありますが、本記事において「チューブレス」と表現しているのは、チューブレスレディ(TLR)のほうです。
シーラントも不要なチューブレス(いわゆる”ピュアチューブレス”)は一般的にはあまり普及していないので、世間的な流れに従ってそのように表記することにしました。



“ピュア” のほう、使ってる人見たことないかも…
結論はクリンチャー!


「クリンチャーとチューブレスはどっちがいいの?」
ロードバイクにも乗り慣れてきてステップアップしようかなって頃にブチ当たる、あるあるの疑問ですよね。
しかしそんなことで頭を悩ませる必要なんてありません。
私の答えはズバリ!
「クリンチャーにしときなさい!」
詳しい理由はこのあとでたっぷり話しますが、
- どうしても今すぐチューブレスに替えたい人
- チューブレス愛が異常に強い人
これ以外の人は、今はおとなしくクリンチャーにしておくのが無難です。



どっちにしようか迷ってるって段階なら、クリンチャーでよし!
「いつものアイツに勝ちたい!悔しい!少しでも有利に!」
そんな思いのときに、ふとソイツがチューブレスタイヤを履いているのを見てしまった…
そんなときに初めてチューブレスに手を出せばいいのです。
「迷っているが、思い切って決断する」という買い方よりも、
「どうしても今欲しいから買う」あるいは、「どういうタイヤか知っていて納得して買う」という買い方のほうが、チューブレスタイヤには合っている気がします。



最悪なのは、人にすすめられるがままに購入すること。
維持していくための労力や費用は馬鹿になりませんよ。



上級者やショップ店員の「簡単だから」という言葉は、初心者には当てはまりませんからね…
クリンチャーにも優秀なタイヤはたくさんあります
「ツーリングやイベントで速さも意識しながら走りたい」
「仲間うちの勝負に勝ちたい」
という目的なら、わざわざチューブレスにしなくてもクリンチャーでおすすめの優秀なタイヤがいくらでもあります。
当ブログではタイヤレビューの記事を多く載せているので、参考にしてみてください!


チューブレスのメリット・デメリット


チューブレスよりもクリンチャーをおすすする理由の前に、サラッとチューブレスタイヤの説明をしておきましょう。
チューブレスタイヤとはチューブが入っていないタイヤのことで、次の2種類があります。
- チューブレスレディ:シーラントという専用の液体を入れるタイプ
- ”ピュア” チューブレス:シーラントが不要のタイプ
現在ではチューブレスタイヤのほとんどがチューブレスレディです。
そのため、一般にはチューブレスレディのことを「チューブレス」と省略して呼ぶようになりました。
本記事で使っているチューブレスタイヤという言葉も、チューブレスレディのことを指しています。
メリット・デメリット
- 転がり抵抗が軽い
- 空気圧を下げて使用できるので、柔らかい乗り心地で快適。グリップ力も高まる
- 内部にチューブを持たないので、リム打ちパンクが起こらない
- 異物が刺さってパンクしても、多少は走り続けることができる
- 価格(維持費)が高い
- 専用ホイールや専用パーツが必要
- 取り付けが難しい
- パンク修理の難易度が高い
- 空気圧管理、シーラント剤など色々めんどくさい



走行面で大きなメリットがありますが、維持管理が大変そうですね。



メンテナンスにストレスを感じるタイプの人には向いてないです。
他の人とあえて違うタイヤシステムを使ってメリットを得るのですから、その分のデメリットも引き受けねばなりません。
チューブレスタイヤは走行性能的にはクリンチャーよりも優秀です。
ここに議論の余地はありません。
問題となるのはチューブレスの「運用面のめんどくささ」です。
これを許容できるかどうかが導入するか否かのカギとなるのです。



初心者・中級者におすすめできない理由はここなのです!
- タイヤ着脱の難易度が高い
- パンク修理の難易度が高い
- 専用の周辺パーツが必要
- タイヤとリムの相性問題
- 空気圧の管理
- シーラントの扱い



しばらく乗らないと内部でシーラントがかたよって乾いちゃうので、3日に1度は回転させてやらんといかんのよ…
チューブレスの普及率
それでは気になる普及率を見てみましょう。
世間の人たちはどんなタイヤを使っているんでしょうか?
- クリンチャー :71.2%
- チューブレスレディ:14.6%
- ピュアチューブレス:6.3%
- その他 :7.9%
チューブレスタイヤはレース会場でチラホラ見かけることはありますが、身近で使っている人は数えるくらいなので、思ったよりもチューブレスの比率は高いんだなというのが私の印象です。



5人に1人はチューブレスですか。



そんなにいるんですね。
ちょっとビックリです。
レース会場でチューブレスタイヤを見かけると、「む…、デキる!」と私はたじろぎます。
なんとなく強者そうな気がして、「同じカテゴリーでありませんように」とつい祈っちゃいますね。
私の中ではチューブレスってそのくらいレアな存在だったのですが、普及率の高さに正直驚きました。
ちなみにクリンチャーとは
クリンチャーとは内部にチューブが入っているタイヤで、最も広く普及しているタイヤです。
チューブドタイヤとも呼ばれます。
一般的にタイヤといえばこのクリンチャーのことで、ロードバイクからママチャリまで幅広く使われている、いわゆる普通のタイヤです。



通販などでタイヤのタイプ表記がないものは、クリンチャーの場合が多いね。
- タイヤ交換が簡単
- パンク修理が簡単
- 価格が安い



扱いがラクで簡単なタイヤです。
甘い言葉にご用心
一般的にはクリンチャーが圧倒的多数派ではありますが、チューブレス信者も一定数存在します。
そして彼らは上級者の割合が高いです。



もともとチューブレスを使っている人って、ガチなサイクリストが多いですからね。
なのでチューブレスをすすめてくる人って必然的に上級者ばかりになるんです。
これが初心者にとっての落とし穴!
上級者の言葉なだけに信ぴょう性があるので、私のようなオタクの声には耳をかさない小娘たちもコロッと信じてしまいます。



上級者ってシュッとした人多いしね。
カッコイイから仕方なし…
・上級者に憧れて、訳の分からないままチューブレス導入を決意
↓
・分不相応の高額タイヤ購入
↓
・専用ホイールや専用機器を追加購入
↓
・もちろん自分で取り付けなど不可能
↓
・性能差が分かるほどの高速巡行ができないので、違いを実感できず
↓
・パンク!チューブレスなので自宅まで自走できるが、自分で修理できず
↓
・「もうクリンチャーに戻す」と泣く
↓
・カードの支払い請求を見て、もう一度泣く



ラ、ラインが出来上がっている…



チューブレスシステムの恐ろしさ、極まれり…
冗談ぽく聞こえますが、これは実際に起きた出来事です。
被害者が犯した最大の失敗は、「クリンチャーがいいよ」と言ったタイヤオタクの言葉を無視して、イケメン上級者の甘い誘いに乗ったことです。
田舎ゆえに自走できる距離にサイクルショップなどなく、自力で修理する目途も立たず、軽自動車に愛車を押し込んで都会のショップまで一日仕事のパンク修理に向かう被害者の姿はそれはもう、悲惨なものでした…



クリンチャーのパンク修理なんて10分ですよ。
このようなことがないよう、チューブレス導入にあたってはしっかりと調べてから決断しましょうね。
私のチューブレスの印象


近くにお店がないとキツい
私はヒルクライムレースに出るためにロードバイクに乗っているので、世間的にはガチ勢の部類に入るかと思います。
ですが同時にパンク恐怖症でもあるので、現場でサッと修理できないチューブレスにはメチャメチャ不安を感じます。
(チューブレスが修理できないタイヤということではなく、私のメカ的スキルではサッと修理する自信がないという意味です。)



クリンチャーのパンク修理は、簡単でメッチャ早いから!
私の周りのチューブレス愛用者の多くは「何かあったらすぐお店に持っていく」というタイプの人たちです。
行きつけの自転車ショップが近所にある都会の人たちですな。
しかし私は田舎住まいなので、行きつけのお店に持ち込むとなると一日仕事になってしまいます。
ですから苦手なメカ的作業でもなるべく自分でやらなければならない環境なのです。
ただそれにしてもチューブレスは大変すぎました。
クリンチャーなら10分で終わるパンク修理にどれほどの時間と労力を…
とても現場でサッと修理する自信は持てなかったので、初代でクリンチャーに戻しましたね。



まあ、いい勉強になりました(強がり)
挫折者からのアドバイス
専門家やショップ店員がチューブレスタイヤをおすすめする記事をネットで見かけることは多いです。
ですが彼らはタイヤのプロ!
趣味で自転車を嗜むだけのホビーライダーの私たちが彼らのマネをするのは危険です。
ただ私の周りでは、「メンテや修理は自分でやりたい」というポリシーがある人より、「全部お店に任せるよー」って人のほうがストレスなくチューブレスと付き合っているような気がします。
スキルを身に付けるのも大事ですが、費用はかかるけどチャッとお店に任せてしまうのもチューブレスを使いこなす秘訣かもしれません。



気軽にお店に行ける人は、チューブレスの精に選ばれた人なのかも?
プロの場合
プロ選手でチューブレスを採用している人は多いです。
好きな選手に影響されて自分もチューブレスを導入したいと思う人もいるでしょう。
しかし周りのサポート体制が整っているプロ選手と素人の私たちは違います。



私たちが、ノーストレスでチューブレスを使い続けるのは難しいことは理解しておきましょう。
- 専門のメカニックがいるので、面倒な作業をしなくていい
- タイヤの価格など気にする必要がない
- 寿命の短いチューブレスだが、プロは鬼のように走り込むためどんなタイヤでもすぐにヘタってしまうから影響なし
面倒な作業も、高額な費用も、短い寿命も、プロ選手が全く気にしないことでも私たちホビーライダーには重くのしかかる重大な問題になってきますからね。



憧れるだけにしておきましょうw
何であんなにすすめてくるの?
これは私の環境だけなのか分からないですが、ショップの店員って何であんなに熱心にチューブレスをすすめてくるんですか?
私のオタクフェロモンが猛獣たちを引き寄せてしまっているんでしょうか?
私はただのオタクで自転車業界で働いている人間ではないので、内部の事情は分かりませんが、裏でチューブレス教団なる闇組織でも暗躍しているのかもしれません。



あんたがメチャメチャ質問するから、店員さんもテンション上がっちゃうのよw
実録!衝撃のゴリ押し!
これは以前経験したエピソードなのですが、印象が強烈だったので紹介しますね。
大型サイクルショップで初心者がタイヤを選んでたんですよ。
タイヤオタクの習性で私はこっそりと聞き耳を立てていたんですが、どうやら初めてのロードバイク購入みたいでした。
その時に接客していた店員がその初心者さんに、チューブレスタイヤをゴリッゴリにすすめていたんです。
初めての人にチューブレスレディいる?
なんかもう、ゲンナリしちゃいましたね。
「もっと安くて普通のでいい」って言ってる初心者さんを遮って、営業スマイル全開で延々とチューブレスのメリットを話し続ける様が気味悪くて、イヤな気分になっちゃいましたね。



あの初心者さん、結局どうしたんやろ?
チューブレスタイヤがおすすめの人
これまでにチューブレスのおすすめできない点を長々と話してきましたが、チューブレスタイヤは走行性能や乗り心地に優れた非常に優秀なタイヤです。



この点に疑う余地なし!
ガチレースだけでなくロングツーリングにもおすすめ!
パンク修理の件でグチグチ言ってしまいましたが、そもそもがクリンチャーよりもパンクのリスクが低く、パンクしてもしばらくは走れるのでそのまま自宅まで帰ることが可能です。
タイヤ自体のポテンシャルは高いので安心してください!
そんなチューブレスタイヤが向いているのはこちらのような人です。
- 走り(速さ)にこだわりたい人
- お金に余裕がある人
- メンテナンスにストレスを感じない人
- お店が近くにある人
- チューブレスを使いたいという想いが強い人
チューブレスタイヤシステムには、メンテナンス的な労力が必要になってきます。
「そんなの全然気にならないぜ!」という人や「走りが速くなるなら許容範囲だぜ!」という人にはチューブレスはメチャメチャ向いています。



私はメカが苦手なので、羨ましいです。
「メンテは店でやってもらうからストレスなんか感じないぜ!」という人もオッケー!
チューブレス適正ありです。
お店が近ければ、なお良し!
さらにお財布に余裕があるなら、もうパーフェクト!
チューブレスを使うために生まれてきた漢といっても過言ではないでしょう。



チューブレスはタイヤ価格が高かったり、専用ホイール・専用の周辺機器・工賃などがかかるので、クリンチャーよりも費用が高くつくからね。
レースに出るなら試してみるのもおすすめ
ガチでレースに出場する人で、チューブレスにしようか迷っている人は一回チャレンジしてみるのもアリだと思います。
レース中は苦しい場面が多いです。
そんなときに、「自慢のチューブレスレディが俺にはついとるんじゃい!」と思うことで自分を鼓舞したり、「こっちは最速のタイヤシステムやぞ!」と思うことで自信を保ち続けることができます。
チューブレスはただ走行性能が優れているだけでなく、このようにレースにおいてはメンタル的なメリットもあるのです。
私たちのようなホビーレーサーは、体力や脚力の本当の限界が来る前にメンタルがやられて脱落することが多いです。
「自分は最善の装備を整えてきたんだ!」という愛車への信頼と自信は、レース中の苦しい場面で必ずプラスの力になってくれます!



全力を出し尽くした後に、「タイヤをああしとけばよかった…」なんて後悔しないよう、万全の態勢で!
カスタムを楽しむのもアリ
「そこまでガチで走ってないのよ」
という人でも、好きな選手と同じタイヤを使いたいって人もいるでしょうし、周りと違うタイヤで個性を出したい人もいるでしょう。
そんなエンジョイ勢でも、チューブレスに魅力を感じるなら替えてみるのもアリです!
速く走るだけでなく、カスタムして愛車をグレードアップさせるのもロードバイクの楽しみです。
チューブレスというマニアックなチョイスで密かな優越感に浸るのも、乙なもんですな。



誰も気づいてないけど、私チューブレスレディなのよ。
フフフ…フフフ…なんて…
自己満足も重要な要素
ロードバイクのような機材スポーツは、お気に入りのパーツでドレスアップするのも楽しみのひとつです。
高額のパーツを買った時なんてゾクゾクしちゃいますもんね。
なのでチューブレスを導入することでテンションが上がったり、愛車への愛が深まるのなら、購入するのも全然アリです!
性能や価格にばかり目が行きがちですが、「なんか好きなのよ」っていう感覚もロードバイクを楽しむためには重要な要素ですからね。



「チューブレスレディ使ってる自分、好き!」
ってので全然OK!



自分なりに楽しみましょうね!
最後に注意点を
チューブレス導入において避けるべきなのは、よく分かってないままに勢いで購入して、あとから後悔することです。
それとその気じゃなかったのに、口車に乗せられてつい買っちゃうこと。
- どうしても欲しい!
- デメリットも許容できる!
チューブレスで幸せになれるのは、こういう人たちのみ。
「迷っているけど、どうしよっかなー」という人は今はやめておきましょう。
タイヤは消耗品なので、すぐにまた交換のタイミングは訪れます。



その時にまた考えて、どうしても欲しいと思ったら導入すればいいからね!
クリンチャーとチューブレス問題まとめ
本記事では、「クリンチャーとチューブレスどっちがいいの?」という一大テーマについて解説しました。
本記事は私の経験をもとに私なりの考えを述べたものなので、違った意見を持つ人もいるかと思います。
ただ、上級者やショップ店員の視点からの情報がほとんどで、初心者・中級者の立場に立ったチューブレスタイヤの情報が少ないと感じていたので、今回記事にしてみました。
参考になれば幸いですぞ!



チューブレスだけでなく、クリンチャーにも優秀なタイヤはたくさん揃っているので、当ブログのレビュー記事も覗いてみて下さいね。

